とらすとーる

SE×FPの他愛もない雑記。

為替リスク、外貨持たない人の方が大きく

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あなたは外貨投資についてどんなイメージを持っていますか?

  • 普通預金より金利が良い
  • 手数料が高い
  • 為替リスクがある
  • 為替差益の可能性もある
  • FXで財産溶けるイメージ
  • 必要性を感じない

こんなイメージが多いのではないでしょうか?

僕も「興味があるならやってもいいと思うけど、そこまでやる必要は無くない?」と思っていました。

しかし、為替リスクについて学ぶにつれて、「為替リスクヘッジはすべての人にとって必要だ!」と強く感じるようになりました。

そして、外貨投資が為替リスクをヘッジするためだとしたら、外貨を持っていない人は大きな為替リスクを負っていることになります。

もし、この事実を知らなければ、将来自分の気づかないところで資産価値が減り、同じ生活をしているはずなのに支出がどんどん増えていくことになるかもしれません……。

そうならないためにも、今回は為替リスクヘッジ、ひいては外貨投資の必要性についてお話します。

そもそも日本人は「円」に投資している

外貨を持つことを「投資」と認識しているために抵抗感を感じる人が少なくありません。

しかし、我々日本人は標準で円という通貨に投資しています。

日本では円が通貨として機能しており、それで買い物ができてしまうために自覚ができていないだけです。

ここで、投資を「資産を経済的価値のあるものに変換すること」と考えてみましょう。

ということは預金だけを持っている人は資産の100%を円という通貨で持っているということになります。

この状態では、確かに円という単位では値は変化しません。しかし、資産価値という観点で見ると、その価値は常に変動しています。

これは紛れもなくリスクです。

円の価値は変動している

円の価値が変動していることを身近に感じられる例はガソリンです。

引用元:ガソリン価格推移グラフ 最近1年間のレギュラー価格 – e燃費

2017年2月現在、ガソリンの値段はリッター125.3円です。高くなりましたね~。

一方、1年前は104.5円でした。

さて、円を基準に考えている人は

「ガソリン高くなったな~」

と感じます。

しかし、逆にガソリン1リットルを基準に考えると「円が安くなった」とも言えますね。

円の価値が変動しているとはこういうことです。

為替リスクはこんなところに潜んでいる

「円の価値が変動するのはわかったけど、為替と何の関係が?」と思いますよね。

引き続きガソリンを例にあげます。

ガソリンの値段は「原油輸入量×原油市場相場×ドルの為替相場」で決まります。つまり、ドルを基準に考えても「円が安くなった」と言えます。

結果、ガソリンの値段は上がりました。

ガソリンの値段は上がりましたが、リッターあたりの走行距離は増えたでしょうか?

ガソリンの質そのものは何か良くなったんでしょうか?

いいえ、何も変わっていません。ただ、円の価値が下がっただけです。

これが為替リスクです。

だから円だけで買い物をし、生活をするんだという人も為替リスクから逃げることはできないのです。

為替リスクとは外貨投資をしている人だけが抱えている、円に払い戻したときの為替差益(差損)のリスクではないのです。

円を持っているだけでも負っているリスクなんです。

そしてこれはガソリンだけに限った話ではありません。

円安になると輸入品の価格が上がる

日本はもはや世界中の国と取引をするグローバルな国です。

あらゆる企業が海外に拠点や取引先を持ち、輸出入が頻繁に行われています。

このように、企業が為替リスクにさらされている以上、その企業が日本国内で販売する商品も当然に為替の影響を受けます。

例えば、円安になると輸入品の仕入れにかかる費用がより多くかかることになります。円の価値が下がったため、同じ商品でもより多く円を支払わないと仕入れできないのです。

これは企業にとっては負担です。

すると、国内で販売するときの小売価格も上げざるを得ません。

為替リスクのツケは我々消費者に回ってくるのです。

さらに、ガソリンの例でお話したように、ガソリン、すなわち原油の価格は上昇しています。輸入はもちろん国内の運送にはガソリンは欠かせませんからそれも企業にとっては負担。為替と同様に小売価格も上げざるを得ません。

原油価格上昇のツケも我々消費者に回ってくるのです。

そして原油価格にも為替は絡んできます。

まさに泣きっ面に蜂!

ついでに原油価格はガス料金、電気料金にも影響するのでこうなったら光熱費もあがるでしょう。

円安は食料価格や外食の価格にも影響する

ところで、日本の食料自給率はカロリーベースで66%だそうです。

引用元:食料自給率とは:農林水産省

ということは残りの34%は輸入に頼っていますね。

輸入ということは食べ物にも為替リスクが……!

すでに食用油などは2月からの値上げが発表されています。

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もうすでに、貯金の資産価値は目減り始めているんです。

そして、その原因は為替です。だから為替リスクはヘッジして、資産価値を減らさないようにしなければならないのです。

円高にはならないのか?

ここまで円安を前提にお話してきましたが、円高にはならないのでしょうか?

そんなことわかりません

そう、わからないのです。

ですが、わからないからこそリスクヘッジをするんです。

もし円高になるとわかっているのであれば、外貨なんて絶対に買いません。

一方で、円安になるとわかっているのであれば、必要最低限だけ残して外貨に変えます。

だから、為替リスクをヘッジせず、円しか持たないということは絶対円安にはならないと自信満々に思っていることと同じです。

どちらかと言えば円安傾向

そして今後の見通しは、どちらかと言えば円安になる方に分があります。

根拠① インフレ

今の日本はデフレ脱却目前で、このまま原油価格が下がらなければ2018年にはデフレ脱却宣言が出せるところまできています。

インフレとは物の価値に対して通貨の価値が下がることで起きますから、デフレ脱却宣言は「これから円の価値が下がる」宣言でもあるわけです。

根拠② アメリカの利上げ

アメリカの政策金利を決定する機関であるFRBは常に利上げの機会を伺っています。

そして2016年12月には実際に政策金利を引き上げました。

普通、お金は金利の高いところに預けておきたいものです。

なので、マイナス金利を導入し、拡大を考えている日本よりも金利を上げようとしているアメリカにお金を預けようと思うのが自然です。

ということはドルの価値が上がり、円の価値が下がるため、円安になりやすいと言えるでしょう。

為替リスクをヘッジする方法

「為替リスクをヘッジする必要があるのはわかったけどどうすれば……」

特に投資経験のない人は何をしていいかよくわからないと思います。

主な選択肢は次の3つです。

  • 外貨預金
  • FX(為替証拠金取引)
  • ローンアグリーメント(借款契約)

外貨預金

外貨預金は普通預金を円ではなく外貨で行うものです。

投資経験がない人がまず買うのがこれ。しかし、次に挙げるデメリットが目立つため、おすすめしません。

  • 手数料が高い
  • 預金保険制度の対象外で、銀行倒産時に返金されない可能性がある
  • 金利が銀行にピンハネされる

FX(為替証拠金取引)

投資経験のある人が外貨を持つパターンとして挙げられるのがFXです。

ハイリスク・ハイリターンのイメージが強く、敷居が高く感じられますが、そんなことはありません

外貨預金の上位互換と言っても過言ではないでしょう。外貨預金とFXのどちらを選ぶかということに金融リテラシーを感じます。

外貨預金と比べて、次のような優位性を持っています。

  • 金利が高い
  • 手数料が安い
  • 流動性が高く、すぐに払い戻しできる
  • FX会社が倒産しても信託保全で全額守られる

FXがハイリスク・ハイリターンと言われるのは、レバレッジという仕組みがあるからです。

資金に対して最大25倍のレバレッジがかかるため、為替の変動も25倍の影響を受けます。

このレバレッジを1倍とか2倍とかにすることで長期で保有できるだけの余裕を持った資産運用が可能です。

ローンアグリーメント(借款契約)

ローンアグリーメント(借款契約)は聞き慣れない言葉ですね。こんな意味です。

loan agreement; LA. 円借款の具体的実施にあたって,海外経済協力基金 (現国際協力銀行) と相手国との間で締結される契約で,これによって融資が確定する。 交換公文で既に政府間合意済みの事項,および借款実施に必要な手続き・権利義務関係を詳細に規定する。

借款契約(しゃっかんけいやく)とは – コトバンク

つまり、お金を貸す側の立場に立って資産を運用する、という型の外貨の運用方法です。

これは金融商品でも投資でもない、比較的新しい資産運用方法です。

そして海外の国に資産を貸すことになるので国選びが重要です。

ポイントは次の2つ。

  1. 高度経済成長の時流に乗る
  2. 「価値」が減少しにくい資産を手に入れる

今、高度経済成長を迎えている地域はASEANです。この地域の魅力は次の3つです。

  1. 若年層の割合が高い
  2. 個人消費が拡大している
  3. 政権が維持されているため、政治が安定している

そのASEANの中でも、継続的に市場が成長しており、為替のブレが小さく、政治が安定している国がカンボジアです。

そして、このカンボジアという国の主要な通貨は米ドルです。

基軸通貨である米ドルが流通している国・地域に資産を移動させることが円の資産価値減少を防ぐ有効な手段です。

ポイントの2番、「価値」が減少しにくい資産が、この米ドルです。

そして、このカンボジアへの融資はAPFローンアグリーメントというサービスでできます。

まとめ

普通に日本に生活しているだけでも、我々は常に為替リスクにさらされています。

もしかしたら将来、円の価値は減少しないかもしれません。しかしそれは誰にもわからないのです。

わからないものに資産の100%を投下するというのはとっても危険です。

自分にとってやりやすい為替リスクヘッジを今のうちからやっておきましょう。