家計簿を続けるコツは簡単にすることです。
続かない人はちゃんとやろうと思いがちです。ちゃんとやるということはそれだけ手間暇がかかるということ。これは大きな負担です。
負担が大きくなると、最初はやる気でなんとかなったとしても、いずれおっくうになってしまいます。
この記事では、タダで機械の力を借りながら簡単に家計簿を続ける方法をご紹介します。
この方法なら続かないあなたも半自動的に家計簿を続けられます。
- 家計簿が続かない理由は家計簿そのものにある
- 通帳を「決算書」代わりにつける
- 通帳を使った家計簿のつけ方
- 決算
- 損益計算書は決算日に作る
- 支出を日々仕分けするコツ
- 「ざっくり」と集計する
- 家計問題の分析と改善策の発見
- 3ヶ月に1度は貸借対照表を作ろう
- 貸借対照表とは
- 貸借対照表の作り方
- 貸借対照表の診断
- まとめ
家計簿が続かない理由は家計簿そのものにある
家計簿をつけようと家計簿を買ったものの、全然続かない人はたくさんいます。その原因は何でしょうか?
1位:面倒になった
2位:費目の分け方がわからない
3位:収支が合わない
ということは、簡単で、費目の分け方がわかって、収支が合えば続けられるはずです。
今回はこの原因を「通帳」を使うことで解決する方法をお伝えします。
通帳を「決算書」代わりにつける
まずは家計簿をつける前に、つけないとどうなるのか知っておきましょう。
家計簿は、企業で言うところの「決算書」、つまり財務諸表です。
財務諸表は学校を出たあとのきみの成績表だ。
学校に通っていた頃は学校の成績が書いてあるものが通信簿でした。社会人になってからは、「決算書」(通帳)があなたの通信簿です。
学校に通っている間は、自分の成績がわからないと大変ですよね?同じように社会人になってからも自分の経済状態がわからないと大変なことになります。お金の不安も尽きません。だから家計簿をつけるのです。
通帳を使った家計簿のつけ方
通帳を使った家計簿のつけ方をご紹介します。この方法で収入と支出を通帳に集約し、毎月決算をしてください。
1. 記帳する
まずは最低でも月に1回記帳します。機械が自動で家計簿に入力してくれます。
楽ですね~。勝手に家計簿をつけてくれるのです。しかも間違えることがないので「面倒」と「収支が合わない」の問題を一気に解決できます!
そのためにも、公共料金の支払いは口座からの引き落としにしておくことをおすすめします。そうすると自分の手間が1つ減ります。
2. 一定の期間で区切る
これは「決算日を決める」ということです。わかりやすいのは決算日を給与振込みの前日にすることです。すると給料日~給料日前日までの1ヶ月間で決算することができます。
3. 通帳に「何に使ったか」を書き込む
ここからは手作業です。通帳に記帳された項目には「クレジットカードの支払い」など、具体的に何に使ったかひと目でわからないものがあります。
そこで、これらの項目に何に使ったか(費目)を書き込みます。クレジットカードの場合は明細があるはずなので、それをあわせて保管しましょう。
ここで問題になるのが「費目」。これは10項目程度用意します。
- 衣料費
- 医療費
- 娯楽費
- 交通費
- 公共料金
- 自動車関連費
- 住居費
- 食費
- 税金
- 保険料
もちろんこれ以外に付け加えたり、削ったりしても大丈夫です。自分用にアレンジしてみてください。これで「費目の分け方がわからない」問題も解決です!
家計簿のつけ方は以上です。続いて決算のやり方を説明します。
決算
決算と言ってもやり方は収入と支出を見比べるだけです。
収入 > 支出 なあなたは黒字で身の丈に合った生活ができています。貯金を始めるのも簡単でしょう。
収入 = 支出 や 収入 < 支出 なあなたは家計に問題があります。支出を見直して削れるところはないか考えてみましょう。
決算したら損益計算書(P/L)を作ろう
家計簿はつけたら終わりではありません。家計の問題を発見し、改善することではじめてつけた努力が活きてきます。
そこで必要なのが損益計算書(P/L)です。
損益計算書は、会社の一会計期間における経営成績を示す決算書です。 会社の経営成績を収益(かせぎ)と費用(コスト)とを対比して、その差額として利益(もうけ)を示すものです。 別名「Profit&Loss Statement」(略してP/L)とも呼びます。 損益計算書は、基本的には次の基本算式により利益を求め、経営成績を判断するものです。
損益計算書は決算日に作る
損益計算書は決算日に作るようにします。決算日は、例えば給与振込みの前日に設定します。
損益計算書は通帳をベースに作っていきます。通帳にそのまま書き込んでも構いませんが、狭くて書きづらい場合は別途ノートやエクセルを用意して、そこに通帳と同じ書式で記入してみましょう。
支出を日々仕分けするコツ
決算日にクレジットカードの明細とにらめっこしながら全部仕分けをするのはなかなか大変ですし、家計簿を途中でやめてしまいかねません。
毎日少しずつ仕分けをしていくコツがあります。それはレシートをもらうたびに仕分けすることです。例えばポケットが10個以上あるファイルを買ってきて、そこにレシートを費目ごとに入れていけば損益計算書を作るときの手間が省けますね。
「ざっくり」と集計する
続いて各費目の金額をざっくりと集計します。ざっくりとするのが続ける秘訣です。
1円単位で集計するのが理想なのですが、1円単位で集計して収支が合わなければ挫折しするかもしれません。なので、例えば100の位を四捨五入するとかして収入も支出もおおざっぱな数字にしてしまいましょう。
家計問題の分析と改善策の発見
損益計算書が完成したら、問題の分析と改善策の発見をします。
基本的には支出を見直します。支出の中でも「お金をかけすぎているな」と感じる部分を探すのがポイントです。
中でも「自動車関連費」、「住居費」、「保険料」といった毎月発生する費用、つまり固定費の中を探して削減できないか考えると非常に効果的です。固定費は毎月かかってくるお金なので、これを少しでも減らすことができれば、1年間で相当な金額を節約することができます。理想の固定費は、収入の3割以内の金額です。
あとは「食費」の中でも外食に使っている金額です。ここも自分の意志で節約できるので効果が期待できます。
3ヶ月に1度は貸借対照表を作ろう
毎月決算書(通帳)や損益計算書(P/L)をつけるようになって3ヶ月。これから資産運用を始めようと思っている人は、貸借対照表(B/S)を作ってみましょう。損益計算書が「収入」と「支出」の2項目で構成されるのに対し、貸借対照表は「資産」と「負債」の2項目で構成されます。
貸借対照表とは
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)というのは、「会社が事業資金をどうやって集めて(総資本…右側)、どのような形で保有をしているか(資産…左側)を表すもの」です。 貸借対照表で会社の持っている財産や借金を読み取ることができます。 下のような表が貸借対照表です。 左側で資産を表し、右側で負債と資本(あわせて総資本といいます)を表します。
家計においてもほとんど同じことが言えます。表の左側が資産。右側が負債、つまりローンや借金ですね。まずこれを書き出します。
資本(純資産)は最後に計算するので、途中まで書いてみましょう。
貸借対照表の作り方
貸借対照表は3ヶ月に1度作ります。資産や負債が毎月コロコロ変わるようなものではないからです。
資産と負債の金額をそれぞれ計算します。資産は現在の評価額(時価)で表します。買った時の金額ではないですよ。中古で売ったら安くなりますからね。
負債は返すべきローンや借金の残高です。
資産と負債のそれぞれにはどのような物が対象になるのか、例を挙げます。
資産
- 現金
- 預金
- マイホーム(時価)
- 車(時価)
- 投資した株や不動産(時価)
- 保険の解約払戻金
- 「ヤフオク!」などで売ったらお金になりそうなもの(時価)
「時価」と書いてあるものは売却査定をしてもらって、その時に伝えられた金額を書いておきましょう。
負債
- 借金の残高
- クレジットカードの支払い(分割払い、リボ払い)の残高)
貸借対照表の診断
資産と負債のそれぞれの集計が終わったら、最後に貸借対照表の診断をします。
ここでは純資産がいくらあるか見ます。純資産の多い人が本当のお金持ちです。純資産は次の式で計算します。
純資産 = 資産 – 負債
純資産がプラスの人
この人の家計は良好です。今ある資産を増やせるようになるとどんどんお金持ちになれます。
純資産が0、またはマイナスの人
この人の家計はかなり危険な状態です。支出を抑えて借金を返済することを第一に考え、家計を見直してみましょう。
まとめ
家計簿が続かない理由を潰した、通帳を使った家計簿のつけ方を紹介しました。たったの3ステップしかありませんし、数字の記入は機械がやってくれますからとっても簡単です。是非試してみてください。
そして、自分の経済状態を確認することは資産運用を始めるにあたって最初に行うことです。この習慣を継続していって、資産運用してみましょう。