僕は『SmartNews』や『グノシー』のサービスを利用してニュースや情報を手に入れています。そして、主に通勤の時間を使って読みたい記事を『Pocket』などの「後で読む」アプリにストックしてすきま時間に読んでいます。
こうやっていて思うのが、全然処理が追いつかねぇ……ということ。
現代はまさに情報爆発時代ですね。毎日大量の情報が世の中を駆け回っているのに、実際に消化できる情報はほんのわずかです。
さて、これだけ情報が溢れていていつでもどこでも情報を手に入れることができるわけですが、僕たちはこれらの情報を先入観、偏見、誤解の無いように処理し、自分の役に立てられているでしょうか?
このエントリーでは偏見なく情報を受け取る方法、その情報を自分の知恵とする方法をご紹介します。
[contents:]
常識は常に正しいとは限らない
世の中の常識というものは僕たちの共通認識であって、知っておけば大きく世の中の流れから取り残されることがないだろうと、安心感を与えてくれるものです。
しかし常識は常に事実なのでしょうか? 当たり前だと思っていたことが現実とは大きく異ることはありませんか?
こちらのエントリーでは常識となってしまった偏見が僕たちを無知にしていることと、この偏見を無くすにはどうすればいいかが説明されています。
無知を自覚させる3つの問題
それではこのエントリーから3つの三択問題をご紹介します。それぞれ回答して答え合わせをしてみてください。
第1問
自然災害による年間死亡者数は、20世紀を通じてどれくらい変わったでしょうか?
- 2倍以上になった
- 世界中でほぼ変わっていない
- 半分以下になった
第2問
世界で30歳の女性が学校に通った年数は何年でしょうか?
- 7年
- 5年
- 3年
第3問
世界で極度の貧困生活を送る人々の割合は、この20年でどれほど変わったでしょうか?(極度の貧困というのは、日々の食事にも困るという状態です。)
- 約2倍になった
- ほぼ同じである
- 半分になった
解答
第1問
- 半分以下になった
第2問
- 7年
第3問
- 半分になった
どれくらい正解できたでしょうか?
元記事では大多数の人が正解できていませんでした。適当にやっても33%の確率で正解できるのですが、考えた末により間違えやすくなっているのです。つまり、僕たちは世の中に対して誤解しているということです。
さて、これらの質問は、ギャップマインダー財団が行っている「無知をなくすプロジェクト」の試験段階のものですが、元記事ではこんなことも書かれています。
私たちの知識を正確に測定しようとするオーラの試みがマスコミで取り上げられ、調査結果がCNNのWebサイトで紹介されて、こういった質問も掲載されました。何百万という人が質問に答え、およそ2,000件のコメントが寄せられました。その一つがこれです。「メディア関係者でこの試験にパスしたやつはいないと思う」。
偏見を捨て、世界を正しく捉えるための4つのルール
これらの問題はそれぞれについて知識がないと正解できないか、と言われるとそうでもないようです。物事を一般化して考える4つのルールを知っていれば正解率を上げることができます。
ルール1 「たいていのことは良くなっている」
「何事も悪化している」というのはかなり広がっている誤解の1つです。確かに、何事も悪化しているのなら僕たちの仕事に価値はあるのでしょうか?
ルール2 「富める人と貧しい人がいて、大半の人はその中間にいる」
「富める人と貧しい人がいて、格差は拡大している」というのが2つ目の誤解です。確かに人口の1%が世界総資産の半分を所有していると言われていますが、人口の70%は資産120万円以下で、これらの人が中間に位置していると言えます。特に中国では中間所得層が増加しています。
この事実を知ると日本人って裕福だったのか、と思いますね。世界的に見れば日本人に生まれた時点で豊かなのだなぁと感じます。
ルール3 「大半は既に手にしている」
3つ目の誤解は「社会的発展のためには、まず国も人々も豊かである必要がある」ということです。資産120万円以下の層が中心の国でも少女は学校に通っているのです。
ルール4 「自分は問題を誇張しがちであると仮定する」
例えば「サメは危険である」という強い思い込みが偏見を生みます。確かにサメは危険ですが世界的な統計においてはそれほど重要な問題ではありません。僕たちはよくないことを強く考えすぎる癖があります。最悪のパターンを考えすぎるとも言えます。例えば株に投資する時に「倒産して全額損したらどうしよう……」と考えてしまうことです。上場企業はそんなに倒産するものではありませんね。
裏付けのない常識は損を招く
上記の3つの質問で当たり前だと思っていることが常に正しいとは限らないことがわかります。
『ー頭のいい人だけが知っているーお金を稼ぐ読書術ー33歳で3億円をつくったインプット・アウトプット法ー』ではこういった偏見や誤解が僕たちの日常生活において損を招いていることがあると言います。
世の中の常識と言われるものはたくさんありますが、因果関係がはっきりしないものにお金を使うのは、自分の資産を減らすことになりかねません。
…他人から仕組まれた常識に従って行動することは、不要なものを買わされたり、価値以上の高い価格で買わされたりすることになります。
ー頭のいい人だけが知っているーお金を稼ぐ読書術ー33歳で3億円をつくったインプット・アウトプット法ー
- 作者: 午堂登紀雄
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 4人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
つまり情報を鵜呑みにしてしまうのは危険だということです。特にこの本ではそういった意味で自分を守る術として様々な主張の本を比較して読むことを推奨しています。
さて、偏見を捨て、世界を正しく捉えるための4つのルールで情報の鵜呑みを防げたとして、それを自分の「知恵」にするにはどうすればいいのでしょうか?
情報の鵜呑みを防ぎ、「知恵」に深める方法
こちらのエントリーでは単なる知識・情報を「知恵」に深め、潜在的なアイデアへと加工する、その加工率を高める方法が紹介されています。
僕たちが何かアイデアを思いつくときには、必ずそのアイデアに必要な知識・情報をあらかじめ持っています。そしてその知識・情報を組み合わせることで発想が生まれているのですが、情報を手に入れる時、組み合わせる時に偏見、先入観、誤解が生まれています。
これをバカの壁と呼びますが、この壁とも言える偏見を取り除くときに先の4つのルールが役に立ちます。
さらに、このエントリーでは情報の鵜呑みを防ぐ方法として、初めて学ぶときに、その知識の「成り立ち」まで含めて学ぶことを挙げています。
そして、その時に役立つのが学んでいる物事に対して「WHY?」と問いかけることです。そして、ただWHY?と問いかけても、あまりにも漠然としていると感じるときには、ほかの疑問詞と組み合わせてみると、手がかりが見つかりやすいときがあります。
- WHY? × WHEN?(なぜそのときなのか?)
- WHY? × WHO?(なぜその人なのか?)
- WHY? × WHERE?(なぜその場所なのか?)
- WHY? × HOW?(なぜそうするのか?)
情報をそのまま頭に入れるのではなく、自分なりに理解し、納得した上で頭に入れることで知恵に昇華されるのでしょうね。
まとめ
この情報爆発時代に情報を誤解や偏見、先入観なく処理し、自分の知恵にする方法をご紹介しました。
物事を一般化して考え、さらにWHY?と問いかけることで成り立ちから理解することでその知識・情報が知恵になります。