不動産投資用の物件を購入するにあたって、ほとんどの場合は融資を受けることになります。
融資を受けるために金融機関を回ります。数ある金融機関の中でも格が高く、経費が少ない所が日本政策金融公庫です。
不動産投資家なら是非とも使ってみたいこの日本公庫。融資を受けるために押さえておくべき2つのポイントをご紹介します。
日本政策金融公庫とは
日本政策金融公庫は、略して「日本公庫」と呼ばれます。日本公庫は政府系金融機関の中でも初心者不動産投資家にとって利用しやすい金融機関です。日本公庫は、厳密には不動産投資の融資ではなく個人事業開業の融資を行います。
つまり、我々不動産投資家は賃貸事業を開業するという名目で日本公庫に融資を申請します。
それでは公庫から融資を受ける前に、メリットとデメリットを把握しておきましょう。
日本公庫のメリット
- 500万円以下の小規模の融資にも積極的で、民間の金融機関よりも借りやすい
- 低金利かつ全期間固定(最高でも2.3%)なので、金利上昇の心配がいらない
- 固定金利を利用して、返済途中に物件を売却しても、残りの返済期間の金利を負担する必要がない
- ローン事務手数料及び登録免許税が不要
- 金額によっては融資実行を決済する前に行ってくれるので、支払いに自由度がある
日本公庫のデメリット
- 返済期間は10年以下であることが基本なので、キャッシュフローが悪化しやすい(ただし、20代、55歳以上、女性は優遇されやすい)
- 融資実行の前に、一時的に資金を用意して決済を終える必要があることも
- 融資額は1人あたり4,800万円が上限
日本公庫が融資の審査に利用する2つの基準
ここから本題に入ります。これらが日本公庫から融資を受けるために、押さえておくべき2つのポイントです。
1. 事業の独立性
事業の独立性とはすなわち物件の収益力です。これは単純にキャッシュフローの大きさを意味します。
物件から生まれるキャッシュフローが例えプラスであったとしてもその額が小さければ事業の独立性を認めてはもらえません。
ではどのくらいのキャッシュフローがあれば良いのか?定量的な基準はありませんが、そのキャッシュフローだけで生活できるかどうかが判断基準です。
これは融資担当者から伺った話ですが、目安は1月あたり12~13万円です。
そんな区分所有物件なんかねーよ!!
と言いたくなりますね。この辺のあんばいは担当者によって異なるかも。
日本公庫が収益力にこだわる理由
なぜ日本公庫は返済できる見込みがあるというだけでは許してくれないのでしょうか?
それは日本公庫が公的機関であり、社会的な意義を重視しているからです。月々のキャッシュフローがプラス1万、2万程度では副業的な意味合いが強くなります。単なる金儲け、単なる副業にお金を貸すことは日本公庫の理念に反することなのです。
不動産投資家である私達も単なる金儲けではなく、賃貸事業として社会的な意義を見出した上で取り組む必要がありそうです。
2. 物件の担保力
これはズバリ築年数です。
RCの物件を例に説明します。RCなので法定耐用年数は47年です。この物件が築40年だった場合、日本公庫は融資することを嫌います。
10年で融資を組むなら、やはり築年数は37年未満のものを選びたいところです。15年融資なら築32年未満ですね。
これは物件の価格が安くても、例えば土地の値段だけで変えるようなレベルでも融資は下りにくいです。
単に築年数が古いかどうかが重要です。
まとめ
日本公庫から融資を受けるポイントは次の2つです。
- 事業の独立性(収益力)
- 物件の担保力
これは物件探しのポイントでもあります。若干、基準や価値観は異なりますが投資家も金融機関も同じ所で押すか引くかを判断しています。
リスクの意味でも融資の意味でも、この両方を満足しないと物件は買えませんね。