年金に対する不安、増税、インフレといった様々な要因によってお金に対する不安が日本中に蔓延しつつあります。これは日本人なら誰でも感じていることでしょう。
いい会社に入って毎月安定した給料をもらい、老後は国や会社に面倒をみてもらうといった人生の安定ルートが揺らいでいます。つまり、定年まで会社勤めをしても老後が不安な世の中になってきたのです。
産業時代のルールから情報時代のルールに変わりつつあるのです。
そして「確定拠出年金」という仕組みが世間に広まり、もはや誰もが投資せざるを得ない時代になってきました。
そんな中で「投資信託でもやってみようかな」と思う方もたくさんいらっしゃいます。しかし投資信託は元本が保証されません。当たり前ですが誰もが損をしたくないため、定期預金や財形貯蓄とは違ってとても慎重になります。投資信託をやろうと思った人の最初の悩みは損をしたくないから慎重に準備したいけれどそもそも何を知っていればいいかわからないことです。
そこで、この記事では投資信託をこれから始めようと思う人が最初に知っておくべき基礎知識についてまとめます。
投資信託とは
投資信託とは、文字通り運用会社を信じて自分の財産を託して投資してもらう金融商品です。
運用会社は多くの投資家からお金を集めて、それを資金にして運用をします。
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このページにはもう少し詳しい、図も含めた解説が載っています。
投資信託にも種類があって日本には約5000種類の商品があります。それぞれ色んなタイプがあるわけですが、基本的には各種類に含まれる投資対象の割合(ポートフォリオ)が違うのです。
投資信託の中身
投資信託はいわば色んな金融商品がパッケージされた金融商品です。福袋みたいなものです。投資信託の中身は主に次の3種類です。
- 債権:ローリスク・ローリターン
- 不動産:ミドルリスク・ミドルリターン
- 株式:ハイリスク・ハイリターン
それぞれに国内のものと海外のものがあり、基本的に国内はローリスク・ローリターン、海外はハイリスク・ハイリターンです。
投資信託の仕組み
主な投資信託は1つの会社で運営されているサービスではありません。投資家が直接関わるのは証券会社や銀行などの販売会社です。この後ろには運用会社、信託銀行があります。
- 販売会社
- 投資家と投資信託をつなぐ「窓口」で、投資信託に関する質問や相談も受け付けています。
- 運用会社
- 投資家から預かった資産を運用しています。
- 信託銀行
- 投資家から預かった資産を保管・管理しています。
このような専門会社がそれぞれの役割を分担して投資信託を運用しています。
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このページにはわかりやすい図が掲載されています。
投資信託の利回りの目安
資産運用はその資産配分によって、利回りが主に3つのタイプに分かれます。
安定運用タイプ
目安は目標利回り年率5%未満の商品です。主に債券中心に資産が構成されています。
スタンダードタイプ
目安は目標利回り年率5%以上8%未満の商品です。投資信託で言うところのバランス型ファンドで、債権と株式がバランスよく配分されています。
積極運用タイプ
目安は目標利回り年率8%以上15%未満の商品です。主に株式中心に資産が構成されています。
これは投資信託に限らない話ですが、投資の利回りが検討もつかない方には投資信託を選ぶ際の利回りの目安として参考になります。
まとめ
投資信託の導入としての基礎知識は上記の3つです。投資信託自体の基礎知識はもっとたくさんありますが、いっぺんにたくさんの知識を得ようとすると「難しいし、量も多いし、めんどくさくなってきた」とか言って諦めかねません。
とりあえず投資信託とはどういうもので、どれくらい儲かるのか、を知っていれば資産運用の計画が立てられます。投資信託についてもっと勉強するのは、その後で十分です。むしろ計画を立てる前からあれこれ知ってしまうとどれが良いのかわからなくなってしまいかねません。
自分の資産運用計画はどういうもので、そのためにはどんな投資信託について知ればいいのか、それを原則にして勉強しておくことで迷わなくなり、決断を早めたりリスクを回避できたりします。