日経平均先物取引を仕組化させるための11の作業手順
日経平均先物取引を始めて約3ヶ月が経ちました。
『日経225先物取引入門』を基礎に取引を重ね、手順を改善し続けています。
この記事では、日経平均先物取引の手法を具体的な手順書として記します。
- 取引に対する心構え
- 売買ルール
- 前日のマーケット情報確認
- 各種指数の確認
- 大証日経平均先物 中心限月の確認
- シカゴ日経平均先物の確認
- 第1次パターン分類
- 30分足チャートの確認
- 今日の株価材料の確認
- 第2次パターン分類
- 第3次パターン分類
- ザラ場での材料出現予測
- 最終売買判断
取引に対する心構え
思うに、投資とは資産を殖やす個人事業です。
事業である以上、一貫した品質、すなわち成果を出し続けられなければなりません。
成果に一貫性を持たせるにはそのシステムが必要です。
そのシステムの実体は決められた手順に従って行う作業です。そこに感情やその場に応じた対応があってはなりません。
誰がやっても同じ成果が出せる手順を設計し、明文化すること。そしてその通りに作業すること。手順書は改善し続けること。
取引に対してはそんな心構えが必要です。
「This time is different(今回だけは違う)」は市場においては最も危険な言葉なのです。
それでは手順を記していきましょう。
売買ルール
- ポジションは8:45寄付時点の成行で建てる、あるいは決済する
- ロスカット幅は200円とし、翌営業日まで逆指値成行注文を行う
前日のマーケット情報確認
まずは情報収集と教育です。
モーニングサテライト(5:45~)
特に5:45~6:00までのニューヨーク株式市場動向とフラッシュニュースは一番大事です。
これは観ることに意味があります。
日経新聞
前日の日経平均株価の動向とそれに対応する材料を確認します。
前日のポジションの取り方が正しかったのか、手順に不備はないかを考え、改善すべきところは手順へ反映させることを後で検討します。
各種指数の確認
インターネットを利用して、以下の指数と値動きを確認します。
- ダウ平均株価
- ナスダック
- ドル円為替
ダウ平均株価終値、ナスダック終値、ドル円為替の前日終値を記録します。
米国市場の指数はググれば検索画面に表示されます。
ドル円為替の終値はYahoo!ファイナンスを参照します。
大証日経平均先物 中心限月の確認
日経平均先物 中心限月の4本値を確認します。
以下のサイトを使います。
日中の「始値」「終値」を記録します。
シカゴ日経平均先物の確認
シカゴ日経平均先物の4本値と清算値を確認します。
以下のサイトを使います。
CMEの4本値は記録がすぐに消えるので、中心限月の4本値と清算値、出来高は記録します。
第1次パターン分類
大証日経平均先物の日中の終値(前日終値)とシカゴ日経平均先物の清算値(CME清算値)から、第1次パターン分類を行います。
- パターンα:前日終値 < CME清算値
- パターンβ:前日終値 > CME清算値
30分足チャートの確認
大証日経平均先物 中心限月の30分足チャートを確認します。
赤い線に着目します。これは12時間移動平均線です。
移動平均線の向きからトレンドを確認します。
- 線が上向き:上昇トレンド
- 線が下向き:下降トレンド
今日の株価材料の確認
日経新聞やBloombergのニュース記事から以下に関する情報を取れるだけ取ります。
ここで確認漏れがあると投資判断が180°変わるので要注意です。
- 日経平均先物夜間取引
- シカゴ日経平均先物取引
- ニューヨーク市場動向
材料が市場に与える影響は大きく分けて4つです。
- 好材料発生→株価上昇
- 好材料出尽くし→株価下落
- 悪材料発生→株価下落
- 悪材料出尽くし→株価上昇
材料が好悪複数ある場合は、それぞれが相殺していることがあります。残留している材料がないか確認しましょう。
第2次パターン分類
上記で確認した材料とそれに対する市場の反応が今日も引き継がれるのかどうかを判断します。あくまでも出現した材料がすべて過去の値動きに反映されていることが前提です。1つでも反映されていない場合はその材料の好悪を優先します。
株価トレンドとニュースの内容、そして分類したパターンから材料の織り込み具合を確認します。
- パターンα & 上昇トレンド:好材料織り込み済み(A)
- パターンα & 下降トレンド:好材料引き継ぎ または 悪材料出尽くし(B)
- パターンβ & 上昇トレンド:悪材料織り込み済み(C)
- パターンβ & 下降トレンド:悪材料引き継ぎ(D)
したがって、
パターンA・Dの場合、「売り」のポジションを建てる
パターンB・Cの場合、「買い」のポジションを建てる
ことが基本になります。
第3次パターン分類
特にパターンαに限っては日経平均先物の寄り付き価格の見極めが必要になってきます。
普通、上昇トレンドは下降トレンドと比べてペースが緩やかなのですが、ときどきモメンタム(勢い)が強く発生して大きく上昇するときがあります。
具体的には、当日の寄り付き価格が前日のCME清算値より10円以上高くなるときです。
これをパターンSとすると、以下のような判断になります。
- パターンS & 上昇トレンド:好材料引継ぎ(S+)
- パターンS & 下降トレンド:好材料出尽くし(S-)
下降トレンドは元々モメンタムが強いのでこういった例外処理はありません。
寄り付き前に当日の始値を予測することは難しいですが、8:30から8:45までは板情報を見るようにしましょう。
始値が前日のCME清算値より10円以上高くなかった場合はすぐにポジションを逆に取り直します。
ザラ場での材料出現予測
取引時間中のことをザラ場と言います。
この時間帯に材料が出る、あるいは出尽くすことが予定されている場合があります。
最近であれば、アメリカの対中国関税税率の発表や日銀政策決定会合の会見、もっと遡ればイギリスのEU離脱投票、アメリカ大統領選挙などです。
これは材料出現が予定されているだけに、その材料に対する市場の予測が株価に織り込まれています。
材料出現後は株価の動きが反転します。
こういったことは1年に2、3回あります。こういう日は日足チャートのトレンドを確認し、それとは逆にポジションを建てます。
- 日足チャートが上昇トレンド:「売り」のポジションを建てる
- 日足チャートが下降トレンド:「買い」のポジションを建てる
たいていの場合、材料の発表までは市場は様子見ムードになるので下降トレンドに入ることが多いです。そして、材料が発表された瞬間、内容に関わらず、材料出尽くし、先行き不透明感の払拭ということで上昇に転じることが多いです。
材料が出るまでは含み損になることが多いですが、そこは辛抱です。
最終売買判断
最終的な売買判断をまとめます。
出現した材料が過去の値動きにすべて反映されている場合
- パターンS+:買い
- パターンS-:売り
- パターンA:売り
- パターンB:買い
- パターンC:買い
- パターンD:売り
※ザラ場中の材料出現観測がある日は、日足トレンドの逆ポジションを建てる
出現した材料の中で、過去の値動きに反映されていない場合
めったにないことですが、材料の方向に従います。
- 好材料:買い
- 悪材料:売り
手順に改善すべき点が発見されたら遅滞なく更新します。
投資は自己責任で。