ソロマイニングをはじめよう~パーツ選別編~
仮想通貨をソロマイニングするためのマシンは既製品が無いため、パーツを購入して自作する必要があります。
この記事では「選別編」ということで、マイニングマシンを構築するためのパーツ選びの方法をご紹介します。
- パーツを選ぶ前に、使用できる電力を調べる
- グラフィックボード(GPU)
- 電源ユニット
- マザーボード
- ライザーカード
- CPU・メモリ・SSDは必要最低限でOK
- PCケースは専用のフレームがおすすめ
- OSはマザーボードが対応しているWindows 10 Pro
- まとめ
パーツを選ぶ前に、使用できる電力を調べる
マイニングマシンのパーツを購入する前にご自分がどれくらいの規模のマイニングマシンを構築することができるのか、というのを知っておく必要があります。
その理由は電力です。
一度に使用できる電力は限られています。そのため、どれくらいの電力をマイニングに当てられるのかということをあらかじめ知っておく必要があります。
配電盤やブレーカーを見て契約アンペアを調べる
まずは建物の配電盤やブレーカーを見て、マイニングする部屋で使える電流を調べます。
20アンペアの電流が使用できる場合、日本の電圧は100ボルトなのでその部屋では2,000ワットの電力を使うことができます。
これ以上使うとブレーカーが落ちるわけですが、安全のため、8割程度の電力が消費できると考えておきましょう。この場合は1,600Wですね。
今の消費電力を調べる
もちろんその部屋のコンセントが現状全部空いているということはないでしょう。
そこで、現在の消費電力をワットチェッカーを使って調べます。
これは一番安いもので十分です。僕が調べた時にはこのワットチェッカーが最安でした。
これで調べたワット数を消費可能電力から引いた値が、マイニングで消費できる電力です。
気を付けたいのがドライヤーです。これは一台で1,000ワット以上を消費するのでマイニングマシンと同じコンセントで使ってしまうとすぐブレーカーが落ちる可能性があります。
グラフィックボード(GPU)
ここからが本題。
ソロマイニングではイーサリアムをはじめとしたアルトコインを採掘します。
これを効率よく行えるパーツがグラフィックボード(GPU)です。
GPU によってマイニングの効率は異なります。これは「Profitability calculator on NiceHash」で事前に調べることができます。
これを基に、「どの GPU を使うのが一番効率がいいのか」というのを計算します。
電気料金考慮した上で計算できるので、あらかじめ1 kWh あたりの電気代を、請求書を見て確認しておくといいですね。
その電気代をシュミレーションに入力し、「Calculate」をクリック。「Profit」欄の数字が見込み利益です。
こちらは僕がGPUの収益率を計算したときのランキング表です。
これによると、「AMD RX 570 4GB」が最も収益率が高かったので、これを8枚購入することにしました。
電源ユニット
GPUの次に重要なのが電源ユニットです。
この電源の予算は削ってはいけません。マイニングマシノの消費電力を抑えてくれたり 、GPUをはじめとした他のパーツの寿命にも関わってきます。
長い目で見て重要な役割を果たすパーツが電源なのです。
この選別は「80PLUS認証」を頼りにします。
下は「Standard」から上は「Titanium」までありますが、最低でも「Gold」以上のクラスのものをお勧めします。
さらに重要なのが電源容量です。
事前調査で調べた消費可能電力を上限に電源容量を選択します。
あとはコストパフォーマンスの問題なので、電源容量1Wあたりの値段で選ぶとよいでしょう。
僕は「Platinum」認証の「Platimax EPM1350EWT」を選択しました。
マザーボード
マザーモードはマイニング専用のものが発売されているので、これを購入します。
マイニングマシンはGPUを複数枚積む構成が基本なので、それを装着するスロットが多い専用のものが必要です。
僕は「ASRock H110 Pro BTC+」を購入しました。
これはGPUを接続する「PCI Express」 のスロットが13個ついています。
このうちReadonのGPUは8枚までしか認識できないので注意。
とはいえ、結局電力の都合やマシンの安定性を考慮するとGPUは8枚が良さそうです。
本当にマイニング専用なので PCI Express のスロット数ももちろんですが、マザーボード自体に電源ボタンとリセットボタンがついているのがいいですね。
マイニングマシンはとにかく発熱がすごいんですよ。その廃熱効率考えると、ケースは買わないのが一番いいので、むき出しのまま使えることを前提に設計されていますね。
ライザーカード
GPUの規格はPCI Express x16、マザーボードの規格はPCI Express x1です。
この2つの規格を変換し、接続するパーツがライザーカードです。
ソロマイニングをする上で、このパーツが最大の障壁になると思ってください。こいつはとにかくパーツ同士の相性によって動作の安定感がブレます。
例えばOSがGPUを認識しなかったり、認識できたとしてもソフトウェアを起動するとマシンそのものがフリーズしたりします。
それでマシンが故障することはありませんが、マイニングは安定した動作が命。
この相性の壁は数で突破するしかありません。
「ライザーカードはGPUの2倍買え」と言われるくらいですので、多めに買っておいた方がいいです。
まとめ買いをすると単価が安くなるので、10本セットとかおすすめです。
CPU・メモリ・SSDは必要最低限でOK
残りのパーツで言うと CPU とメモリです。
マイニングではもう GPU しか使わないと思ってもらって大丈夫なので、 CPU はこのマザーボードの規格に対応している LGA 1151規格の中でも一番安いものを選びました。
メモリ4 GB あれば十分です。
これも DDR4の一番安いものを買ってもらえればいいかなと思いますね。
SSDは120GBぐらいは欲しいところです。
マイニングソフトが仮想メモリを要求してきます。これのリソースがSSDになるので少し余裕をもって。
こういう削れるところは削って、GPUや電源ユニットには惜しげもなく予算を充てるのが理想です。
PCケースは専用のフレームがおすすめ
マイニングリグ専用のフレームが開発されているのでこちらを使っていきます。
このフレームは底にマナーモードを仕込み、間の柱を挟んで上側に GPU を配列していきます。
GPU8枚がちょうどよく均等間隔に並べられるような構成なってますね。
電源を2台置くスペースが用意されているので、冗長構成で電力の安定を取りに行く方は電源2台とか使ってもらってもいいかなと思いますね 。
OSはマザーボードが対応しているWindows 10 Pro
このマザーモードが対応してるOSが Windows 10です。
後々の運用のことを考えると Windows 10の中でもProがいいかなと思います。
Proはリモートデスクトップは使えるのがいいですね。マイニングマシンは一回動かしたら基本的にはほったらかしです。
メンテナンスもマシンが止まった時ぐらいしかないので、それ専用にディスプレイやマウス、キーボードを買う必要はありません。
ちょっと様子を見るぐらいならリモートデスクトップで十分です。
トータルコストで考えると、ProではなくHomeを買って、ディスプレイとマウス、キーボード買うでもいいんです。
しかしやっぱり物理的な場所を取ったりするのではリモートデスクトップが楽かなと思います。
リモートデスクトップではなく、 Chrome デスクトップを使う方もいますけど、やっぱちょっと動作がちょっと重いというのもあります。
Google Chrome はバックグラウンドで結構マシンのリソースを消費します。
マイニングマシンはのマイニングにすべてのリソースを割きたいぐらいです。なのでできるだけ、負荷がかかってソフトが落ちるとか OS が落ちるという事態を回避したいのです。
という意味では色々試した結果リモートデスクトップが一番軽そうだなということになりました。
Pro を買う余力のある方は Windows 10 pro を買ってくれればいいかなと思います。
まとめ
というわけでパーツの選別編は以上です。
初期投資額の合計として、GPU8枚構成で30万円ぐらいを考えておくといいでしょう。
パーツを適当に購入してしまうと、このマイニングマシンの価格は利回りに直結するのでなるべく安くというのがポイントですね。
ビットコインのレートにもよるんですけどマイニングマシンはそれ自身の料金をペイするのに最低一年ぐらいは見込んでおいた方がいいかなと思います。
マシン購入にかかった資金を取り返すのに一年かかると考えると、今ちょっとでも頑張って安いパーツを探してもらえるといいかなと思います。