FX入門書、「外貨投資・FXの学校[入門編]」で体系的に
ファイナンシャルアカデミーの「外貨投資・FXの学校」の受講料は378,000円。
そのエッセンスをぎゅーっと詰め込んだ一冊が「外貨投資・FXの学校[入門編]」です。定価は1,600円。
知識ゼロでも大丈夫! 基礎から応用までを体系的に学べる! 外貨投資 FXの学校 [入門編]
半分ぐらいは未経験者のための内容です。残り半分は、トレードに勝ちたい人のための実践的な内容です。
全体の構成は。
- 外貨の基礎知識
- スワップポイント
- レバレッジ
- 注文方法
- 資金管理
- ファンダメンタルズ分析
- テクニカル分析
- トレンドとオシレーター
といった感じ。
今回は書評として、成績に直結するこの3つをご紹介します。
- 資金管理
- ファンダメンタルズ分析
- テクニカル分析
資金管理
まずは資金管理のポイントから。
余裕資金の3分の1程度の資金を使うのがいい
これはFXに限らず投資全般に言えることです。
まず大前提として生活費まで投資資金にするのはもってのほかです。投資にはリスクがあり、元本割れの可能性があるため損することを想定しなければなりません。
余裕資金を全額使わないのは、なんだかんだ現金が最強だからです。特にトレードの世界では究極的には「買い」か「売り」の行動しか選択できません。もし全額を使ってポジションを取ってしまうと次の選択肢が取れません。
手札ゼロでカードゲームやるようなもんです。
一方で、当然に一定の割合、例えば余裕資金の3分の1程度が良いかと言うとそうとも言えません。
投資の最大の目的は利殖です。そして何のために増やすのかという目的が大前提としてあります。
結果、資産が増えたとしても自分が必要とする分に届かなければ無意味です。
3分の1などの基準はは目安であり、例え話ですので気を付けましょう。
維持率が150%を割り込んできたら危険
FXは日本語で「外国為替証拠金取引」と言います。投資する資金を証拠金としてレバレッジを効かせることが前提です。
このため、資金以上に損失が出る可能性があります。
さすがにそうなってからでは手遅れなので、証拠金の維持率が「そろそろヤバイ」となったら「マージンコール」がFX会社から通知されます。
基本的に維持率が150%を割り込んできたら危険です。維持率は次の式で計算することができます。
維持率(%)=(口座のお金ー評価額)÷維持(最低)証拠金×100
と、言うことは口座のお金を全額使ってポジションを持ってしまったらその時点で危険です。維持率100%です。
維持率150%はイメージしにくいかもしれませんが、資金の半額を使って、そのうちの半分が溶けたら危険という感覚を持っておくと考えやすいかと思います。
適当にやってるとあっさり溶けますからね。怖いですね。
ファンダメンタルズ分析
経済状況などから相場を分析する手法がファンダメンタルズ分析です。FXでは世界の動きを捉えることが肝要ですね。
ファンダメンタルズ分析は投資期間が長くなればなるほどその重要性が増していきます。相場の大きな動きはファンダメンタルズの要因で決まるからです。
ファンダメンタルズ分析と言っても株式よりは簡単です。
為替取引で必要な要素そのものが株式よりも少ないため。そして、国際通貨の流通量は約45%が米ドルなためです。米ドルは基軸通貨なのです。
したがって、ファンダメンタルズのポイントは次の2点です。
- FXのファンダメンタルズ分析は米国の指標を中心に見る。
- ユーロ圏、イギリス、オーストラリア、日本などの経済指標で重要なものは数えるほどしかないので、米国の経済指標以外が為替相場に影響を与えることは少ない。
テクニカル分析
チャートを読み、過去の結果を基に将来を予測することがテクニカル分析です。
FXでは、相場が複数の要素が絡み合って形成されること、短期トレードが流行っていることからテクニカル分析が非常に重視されます。
一方で、テクニカル分析の的中率は7割程度と心積もりしておき、最終的な判断は自分でしなければなりません。
テクニカル分析は投資期間に合わせる
テクニカル分析の方法は自分の投資期間にあわせて選ばなければなりません。
具体的には、長期なら月足チャート、中期なら週足チャート、スイングなら日足チャート、デイトレードなら1時間足チャート、といった具合に使い分けます。
しかし、どんな投資期間でやるにせよ、最初に大きな方向性、つまり長期でのトレンドを確認することは必須です。
この大きな流れに逆らわないポジションを取ることが基本です。
トレンド系とオシレーター系
チャートは大きく分けて2種類あります。
相場の方向感を見るトレンド系。相場の過熱感を見るオシレーター系です。
それぞれどんなものがあるか見てみましょう。
移動平均線【トレンド系】
移動平均線とは移動平均を選で結んだもので、テクニカル分析の中で最も基本的なものです。
特に25日移動平均線はよく使われる線です。みんながそれを基準に売買の判断をするので非常に強力です。
移動平均線とは?
- 移動平均は今から過去にさかのぼって為替のレートを平均したレートのこと。
- 移動平均線はこの移動平均を線で結んだもの。
- 移動平均線はだいたい平均する期間の半分くらい為替レートから遅れた動きになる。
- 移動平均線はなめらかな動きをするので、為替レートのトレンドを表すことになる。
- 売買の判断に多用される指標(トレンド系)。
トレンドライン【トレンド系】
トレンドラインとは、トレンドが上昇、下降、もちあいの3つのうちどの状態なのかを判断するためにチャート上に引く直線です。
トレンドラインは、チャートの主要な高値同士、安値同士を繋いだ直線です。
上昇トレンドの場合、高値同士を結んだ線をレジスタンスライン、安値同士を結んだ線をサポートラインと呼びます。
一方下降トレンドの場合は逆で、高値同士を結んだ線をサポートライン、安値同士を結んだ線をレジスタンスラインと呼びます。
この2線の間をチャートは行ったり来たりします。
そして一度そのラインが突破されるとトレンドが転換することが多いです。
トレンドフォロー戦略とは
トレンドに逆らわず、トレンドに沿ったポジションを取っていく戦略。上昇トレンドでは「買い」、下落トレンドでは「売り」のポジションを取る。
- 常にトレンドを意識してトレンドについていくことだけを考える。
- 利益が大きく狙えて失敗が少ないので初心者はこの方法をまず覚える。
RSI(相対力指数)【オシレーター系】
RSIは為替レートの行き過ぎを判断するための指標です。
20~30%を下回ったら売られすぎと判断し、そこから上昇してきたら買いサインとみなします。
70~80%を上回ったら買われすぎと判断し、そこから下落してきたら売りサインとみなします。
RSIはレンジ相場に強く、トレンドが発生している相場に弱い指標です。
RCI(順位相関係数)【オシレーター系】
RCIは値段と時間の相関から行き過ぎを判断する指標です。為替レートが上昇を続けば+100%に近づき、下落が続けば-100%に近づきます。
RCIが底を打って上昇に転じたら買いサイン、天井から下落に転じたら売りサインです。
RCIはゆるやかに方向を変えるので、完全に方向を変えたのを見てから売買するのが安全です。
ストキャスティクス【オシレーター系】
ストキャスティクスにはファスト・ストキャスティクスとスロー・ストキャスティクスの2種類があります。一般的にスロー・ストキャスティクスのほうが売買判断に使われます。
スロー・ストキャスティクスは特に数週間~数ヶ月程度の売買ポイントをよく捉えます。短期トレードよりも中期トレードに向いている指標です。
MACD(移動平均収束拡散手法)【オシレーター系】
MACDはトレンド系とオシレーター系の両方を兼ね備えた指標です。特に新規注文をする場合に売買のポイントを明確に示してくれます。
MACDが底の方でシグナルを上抜けたら「買い(ゴールデンクロス)」、MACDが天井の方でシグナルを下抜けたら「売り(デッドクロス)」とみなします。
まとめ
「外貨投資 FXの学校」は入門書ですが、資金管理を含めた上でファンダメンタルズ分析、テクニカル分析の手法を紹介しているので、とてもよく体系的にまとめられた書籍です。
他の入門書はトレードの手法のみに焦点をあわせており、その点で実践しやすい本だと思います。
知識ゼロでも大丈夫! 基礎から応用までを体系的に学べる! 外貨投資 FXの学校 [入門編]
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