「あなたは誰のために働いていますか?」と聞かれた時、あなたは何と答えるでしょうか?
僕だったら「自分のため」、「お客様のため」、あるいは家庭を持っていれば「家族のため」と答えるかもしれません。
多くの人が誇り高く、普遍的でその価値を失うことがない価値観を持った答えを出すと思います。
そういった「価値観」に関する話はまた別の機会にするとして……。
お金の知性の観点から、自分が誰のために働いているのか。その事実を考えてみましょう。
一般の多くの人が自分のためでなく他人のために働いている
多くの人がいつもお金に苦労している直接の原因はたいていの場合、一生他人のために働いていることにある。世の中には、毎日いくら働いても結局は何も自分の手元には残らないという人がどんなに多いことだろう。
キャッシュフローを見た時、会社に勤めていて持ち家を持っている人が「働いている」という場合、次の3つのことを意味しています。
- 他人のために働く
- 政府のために働く
- 銀行のために働く
それぞれどういうことか考えてみましょう。
他人のために働く
会社勤めをしている人は、自分ではなくその会社あるいはオーナーあるいは株主を金持ちにするために働いている。あなたの努力と成功は、結局はオーナーの成功と引退後の生活を助けるだけだ。
会社勤めをしている人の働きは会社の営業利益に貢献しています。その利益は会社あるいはオーナーの利益です。利益が上がると株主の配当も上がります。
営業利益は従業員が得る利益ではありません。従業員が得るのは会社にとっての人件費、つまり経費です。
もちろん従業員の給与や賞与が上る可能性もありますが、それはその人が生み出した利益のほんの一部です。
政府のために働く
政府はあなたの給料から分け前を差引く。だから、給料の全額をあなたは拝むことすらできない。一生懸命に働けば働くほど、税金を多く払わなければならない。たいていの人は年に五カ月は政府のため、税金を払うためだけに働いている。
天引きという言葉があります。給料が支払われる前に保険料、所得税、住民税といったお金が差し引かれるのです。
しかもこれらのお金は給料に対して一定の割合、または比例して差し引かれています。だから一生懸命に働けば働くほど、給料が上がれば上がるほど税金を多く払わなければならないのです。
ちなみに預金の利子や投資による譲渡金、配当・分配金などの不労所得やポートフォリオ所得に対する税率は2割か、場合によっては非課税です。
こう考えると給与所得はとても弱い立場にありますね。
銀行のために働く
税金を引かれたあとの支出で一番大きいのは、たいていの場合、住宅ローンの返済とクレジットカードの支払だ。
これはつまり負債のことです。
あなたの負債は誰かの資産です。そしてその誰かはたいていの場合銀行です。
住宅ローン、クレジットカード……。多くの人は持っているでしょう。クレジットカードは一括払いができている場合はともかく、リボルビンウで分割払いをしている場合は住宅ローンと同様に利息がついているので負債としての存在は大きいでしょう。
まとめ
誰のために働いているかを財務諸表で見てみると次のようになっています。
これを見ると、多くの人は世の中の労働力の一部となってお金のために働いていることがわかります。
さらに、この人たちのお金の悩みを解決するには資産が必要だということもわかります。会社に勤めていても、そのほかに本当の資産、すなわち自分自身のビジネスを持つことが必要なのです。
一般の多くの人が自分のためでなく他人のために働いていることを説明する図を示した。このような人たちは、まず会社のオーナーのために働き、次に税を納めることで政府のために働き、あとの残りは抵当権を持っている銀行のために働いている。